痛み改善や脚痩せの目的で、お尻や太ももの筋トレをされるときに
まず股関節のポジションを整えるエクササイズを行うと、より効果的です。
股関節の中の動き
股関節が動くとき、骨頭(脚側)が寛骨臼(骨盤側)にひきつけられながらスムーズな動きをします。
たとえばもも上げのような動きの時、大腿骨頭は後方にすべっていく動きをします。この動きは関節の中でおこっており、あまり目に見えてわかる動きではありませんが、関節面を適合させながらスムーズに動くために重要です。
関節に近い深層の筋肉と表面に近い筋肉が協調的に働いてこのような動きが可能となっています。
しかし、この後方へのすべりが不十分だと、股関節のズレ感や前側のつまり感、ひどくなると鼠経当たりの痛みにつながります。
こんな姿勢の方は注意!?
骨盤が前にスライドしている、ピラティスでいう”スウェイバック”の姿勢の方は、この後方滑りが阻害されやすいです。
下図、お腹を前につきだして”休め”をしているような姿勢で、骨盤と大腿骨頭が前方へ移動してる姿勢です。↓
《スウェイバック姿勢のチェック方法》
・立ったままつま先をあげる、また踵をあげる
・どちらがやりにくいでしょう?
・つま先上げの方が上げにくかったらスウェイバック姿勢かもしれません。
つま先上げの方がやりにくい、のは骨盤が前にスライドしていて、いつも重心が前にのっている可能性が高いためです。
骨盤と骨頭が良い位置にないと、お尻や太ももまわりの筋トレをしても、効果的に筋肉をつけるのが難しかったり、引き締めたいところが引き締まらなかったりします。
また、日常しゃがんだり、歩いたり、を繰り返していると股関節のズレ感やつまり感に発展してしまうので、まずは股関節のポジションを整えるエクササイズを行いましょう。
ポジションを整えるエクササイズ
上記を踏まえて、股関節のポジションを整える、ご自身でできるエクササイズを一つご紹介します。
①四つ這いになります。左右の膝の間を少し広くしておきます。
②後ろにお尻を引いていきます。少し骨盤を前傾してスタートすると、骨盤に股関節がはまりこみやすいです。
お尻は引けるところまで後ろに引きましょう。
そして、元の位置に戻ります。
・・これを5回程度繰り返します。
③次は、左右の回旋の動きを引き出していきましょう。
お尻を途中まで引いて、重心を左右に移していきます。
右に重心を移動するときは、左の膝で床を押し、骨盤が右へ回旋してると良いです。
左に重心を移動するときは右の膝で床を押し、骨盤が左へ回旋してると良いです。
ポイントは、反動をつけたり、流れるような動きではなく、脚のつけ根から動いてる感覚があること、自分の足の力でコントロールしながらゆっくり動かすことです。
このような股関節のポジションを整える運動も準備運動として行っていただくと
皆さんが普段行われているスクワットや脚の筋トレ、深くしゃがむような運動で、
大腿骨頭を求心位に保ちながら効果的に行ってもらえるかと思います。