運動するときの股関節のお悩み
ダイエットのため、スポーツや旅行を楽しむために運動をしたいけれど、
股関節が痛む、股関節にズレ感を感じる、右と左で動きに明らかな差を感じる
などのお悩みは、お客様にも多いお悩みの一つです。
股関節は、年を重ねた時に、アライメントの崩れ、運動習慣、肥満などから(先天的な要因もありますが)、関節軟骨の摩耗や痛みなど、トラブルを起こしやすい場所でもあります。
ウォーキングやストレッチ、筋トレなどさまざまな運動もありますが、
まずは、股関節が良いポジションを保ちながら、スムーズな動きができるようにしていきましょう。
トレーニング中によく聞かれるお声なのですが・・
骨盤や股関節は体の中心にあるためか、
「手先・足先のように動きが見えないのでイメージしにくい」
「股関節ってこんな動きをするんですね!」といったお声がよく聞かれます。
本日は、日頃の運動で、股関節の動きをイメージしやすくなるよう、
その構造やどんな特徴があるか、目に見える形でお伝えしていければと思います。
股関節の構造
股関節は、骨盤の寛骨臼というくぼみに、大腿骨の骨頭がはまりこんだような構造となっています。よく寛骨臼のソケットに球状のものがはまりこむような形と表現されます。
【骨盤】左右の寛骨、仙骨、尾骨から構成され、それぞれ骨のつなぎ目はわずかに動きます。
右の寛骨です。↓
【大腿骨】前から見ている右脚です。
膝上~太もも~脚のつけ根にあたる部分です。
【横から見ると】
寛骨臼へは後ろのかぶさりが大きく、骨頭は前方に向かってついています。関節を安定させるために、股関節前側にはたくさんの靭帯がついています。
脚の歪みは股関節の問題?骨盤の問題?
【たとえば①】
股関節は、骨盤と大腿骨頭の位置関係に影響を受けます。たとえば、よくあるのが骨盤が前にスライドされている姿勢。
この姿勢だと股関節前の靭帯がいつも伸ばされている状態になってしまいます。そして、骨頭が寛骨臼の中をうまく転がりすべって動けないので、つまり感やズレ感を感じる原因となることがあります。このように、股関節の問題であっても、骨盤から整えるとうまくいくケースもあります。
【たとえば②】
いつも内股、どんな動きでも膝が内に入ってしまうといった場合。
骨盤が前に倒れていると、連鎖的に股関節が内旋してしまう方が多いという報告があります。骨盤が前に倒れると大腿骨頭が寛骨臼のソケットにはまるようにしようとするからです。
このような場合も、股関節だけでなく、骨盤も一緒にアプローチしたほうが良いでしょう。
大腿骨の軸
大腿骨頭が骨盤にはまりこむようにつくので、大腿骨の長軸と骨頭の軸にねじれが生じます。
【前から見ると】
これは右脚・正面から見た図です。頚体角といって、正常は125度前後と言われています。
【上から見ると】
上から見た右脚です。大腿骨の長軸に対して、骨頭は前方を向いてつきます。赤色で示している部分を前捻角とよびます。
頚体角も、前捻角も個人差があります。特に前捻角は、脚の歪みを見る際に必要な情報となるので、お一人ずつ拝見させていただきます。
(前捻角と脚の歪みに関して、また別記事で書ければよいなと思います)
股関節はどんな動きをするでしょう?
股関節はどのような方向に動くでしょうか??
関節には動く方向、「いくつ運動軸をもっているか」それぞれ決まっています。
股関節の場合は、臼状関節といって3軸以上に動きます。
身体に対して前・後ろ、外・内、回旋の動きができます。
他の関節、たとえば指の第2関節を動かしてみてください。おそらく曲げ伸ばししかできないと思います。これは1軸関節です。(厳密には、副運動といって転がり・滑り・圧迫・軸回旋などの動きもできますが)
また、手首は曲げる・反らす、親指側に倒す・小指側に倒す、といった2軸の動きだけです。
股関節のような3軸をもつ関節は、動きの自由度が高いので、歪みが出やすい部分でもありますが
しかし逆をいうと筋肉を活性化したり、運動感覚を養うメリットが大きい、改善の見込みが大きいです。
脚の歪みを改善したいとき、膝の痛みを改善したいとき、骨盤・股関節からアプローチすることが多いです。
以上、本日は「股関節の構造」についてでした。
トレーニング中、また皆さんの日頃の運動のお役に立てれば幸いです。