血糖コントロール 運動の効果
体脂肪を増やさない、糖代謝改善の観点から、糖尿病の栄養・運動療法は、ダイエットにも参考になります。
高血糖・高血圧・高脂血症(メタボリックシンドローム)の予防としても有効です*
インスリン感受性が高まる
運動により、インスリンの感受性がよくなることによって、急激な血糖上昇を防ぐことができます。
血液中のグルコースの濃度(血糖値)はインスリンやグルカゴンといったホルモンの働きによって調節されています。
このうち、インスリンは血液中のグルコースを取り込むようにさまざまな細胞に働きかけ、その結果、血糖値を下げる働きがあります。
たとえば食べた後は、体内の血糖値が上昇するのですが、インスリンのこのような働きによって、血中の糖濃度を下げてくれています。
ダイエットには「GI値の低い食品を」「ベジタブルファースト」「急激な血糖値上昇を防ぐ」
など聞かれたことあるかもしれませんが、血中に糖が過剰にあまりすぎると、エネルギー合成されて脂肪として蓄えられるからです。
しかし、二次的な環境要因(肥満、過食、高脂肪食、ストレスなど)によって、インスリン抵抗性が増大してしまいます。
※先天的にインスリン抵抗性が高い場合もあります。
運動には、このようなインスリン感受性を高める効果があります。
どのような運動??
有酸素運動
歩行やジョギングなどの有酸素運動の継続は、インスリン感受性を高めてくれます。
筋力トレーニング
筋重量が増大することで、個体全体としてインスリン感受性を高めてくれます。
※これについて前回書きました。→https://b-step.org/diet/pilates-yakuin061-2/
日常の活動も運動です*
◇身体活動の強度METs
消費エネルギーを導き出すことができます。
消費カロリー(kcal)=1.05×エクササイズ(メッツ×時間(h))×体重(kg)
※1日にどれくらいの消費カロリーが必要かは、お一人ずつの体重、基礎代謝、摂取カロリーなどによってきます。
また代謝やほかの要因も絡むので、エネルギー収支の数字にこだわりすぎなくても大丈夫です。
METsは、活動の比較、目安として参考になります。
METs目安
安静時(横になったり座って楽にしている状態)を1とした時と比較して何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示します。
歩く・軽い筋トレをする・掃除機をかける・洗車する・子供と遊ぶ(中強度)などは3~3.5メッツ程度、
やや速歩・ゴルフ(ラウンド)・通勤で自転車に乗る・階段をゆっくり上るなどは4~4.3メッツ程度、
ゆっくりとしたジョギングなどは6メッツ、エアロビクスなどは7.3メッツ、
ランニング・クロールで泳ぐ・重い荷物を運搬するなどは8~8.3メッツ
運動する時間が取れなくても、家事や通勤での歩きなどで補えると考えると、ちょっと嬉しいですね。