膝の痛みでお悩みの方に~歩き方改善~
「ウォーキングやランニングで膝が痛くなる」といったお悩み。
「歩き方が悪いのでしょうか?」と気にされている方も多いです。
私たちは普段、無意識で歩行を行っていると思います。「足と手を次はこのように出して~」と意識している人はほとんどいないと思います。
しかし、ヒトの歩行のメカニズムには、関節に負担がかからないように、エネルギー効率よく、重心を前へ運ぶための機能が備わっています。
今日はそのメカニズムの一部とどのようなことに気を付けたらよいかお伝えしていきます。(^^)
歩くだけでもひざは衝撃を受けている
歩行において、足が床に接地する際、ひざは『床反力』といって地面から大きな衝撃を受けます。
ヒトの体には、それを緩和するためにさまざまな衝撃吸収機能が備わっています。その一つが揺りてこの原理です。
もし、この衝撃を吸収する機能が備わっていなければ、足を地面につくたびに、足関節、ひざ、股関節、骨盤・・と各関節に大きな力が加わり、関節内の組織、周辺の靭帯・筋肉などを傷めてしまう可能性があります。
揺りてこの原理とは
歩行の中で、『足を前へ降り出すとき』、身体重量はいったん下へ向かっていきます。
その下へ向かった身体重量は、前方への動きにうまく変換されるようになっています。これがロッカーファンクション(揺りてこの原理)です。
【ヒールロッカー】

動きの支点は踵と床の接触点です。
着地直前に足が約1センチの高さから自由落下し、床へ向かう力の大部分が前方への勢いに変換されます。
前脛骨筋群(図で現されている筋)が、足の落下に対してブレーキをかけるように働き、踵を支点にして転がる動きを助けています。
【アンクルロッカー】

この動きの支点は足関節です。
足関節を軸に下腿(足の下の骨)が前に倒れていきます。
ヒラメ筋、腓腹筋(図で示されている筋)が下腿が前へ倒れすぎるのを制御して、足関節を軸にした動きを助けています。
【フォアフットロッカー】

動きの支点は、中指指節間関節です。
中足骨頭の丸い表面を支点にして転がり運動がおこります。身体重心がこの支点を超えて前にくれば、身体の前方への動きの加速が生じます。
もしこれらの揺りてこの動きがうまく機能できていないと、床からの反力を逃すことができず、ひざや、足関節、股関節にまで衝撃を受けてしまいます。
関節を守りながら正しい歩き方へ
①踵から接地してつま先からでましょう
すぐ意識できる改善方法はこれです。この足の着き方だと、上記の揺りてこの動きがうまく働き、床からの衝撃をうまく逃がすことができます。
②関節の柔軟性を保つ。
足首、ひざ、股関節、骨盤どこがかたくても、上記の揺りてこの動きがスムーズに機能しません。日常からストレッチや運動を行ってケアしておきましょう。
③筋肉のバランスを整える。
脚の筋肉のバランスが崩れていると、適切なタイミングで筋肉が働きにくくなるので、上記のような関節に負担のかからない歩行が行いにくくなります。いろんな本や動画を見ながらバランスよく筋トレをしたり、ご自身の歪みがどのようなものか判断しにく場合は、専門家に相談されるのも良いと思います。
こちらでも体の歪み相談を行っていますので、お体のチェックだけでもお気軽にご利用くださいませ。(^^)
→https://b-step.org/trial/experience-session
引用文献: 観察による歩行分析