横隔膜のはたらき
前回、体の歪みと呼吸についてお伝えした時『横隔膜』が良く出てきました。
イメージがつきにくい部分かと思いますので、どんなものかまとめてみました。
『横隔膜』は呼吸に関する重要な筋肉で、しっかり働かなければ、呼吸が浅くなってしまい、酸素と二酸化炭素のガス交換が効率的にできません。
皆さんのお体の理解に、ご興味あればご参考ください。(^^)
横隔膜ってなに?
横隔膜とは
横隔膜は、胸腔と腹腔をわけているドーム状の筋板です。体側の右側に肝臓があるため、右側は左側に比べて高くなっています。
※真正面から見た図(黄色の部分です)
※下から覗いた図。こんな形でドーム状をしています。
横隔膜はどこにあるか?
・肋骨部・・第7~12肋骨の内面から付着
・胸骨部・・剣状突起の後面から付着
・腰椎部・・第1腰椎~第3腰椎から付着
上記の骨から付着し、腱中心という真ん中に集まってくる形で存在しています。
横隔膜はどのように動く?
人は、呼吸運動により、肺胞に酸素を取り入れ、二酸化炭素を放出します。
実は、肺自身は自らで縮む力はあっても、広げる力はありません。
息を吸う、すなわち肺に空気をいれるときは、胸郭を形成する肋骨と横隔膜の収縮運動により肺を膨らませています。
息を吸うとき
横隔膜は、息を吸うときに収縮し、ドーム型の頂点が下がります。そうすると、胸郭(鳥かごのようになっている部分)が広がり、胸腔内は陰圧となるため肺が膨らみます。
※骨の数や角度はおおまかに表現しております。
息を吐くとき
息を吐くときは横隔膜が弛緩して、肺は自分が持つ収縮力で、肺内のガスを吐き出して、胸郭はゆっくりともとに戻ります。
横隔膜のドームがどれくらい下がるかというと
安静吸息時は約1.5㎝程度
強制吸息中は6~10㎝
最大吸息時は右側は第11胸椎の高さ、左側は第12胸椎
の高さくらいまで下がります。 けっこう下がるなぁという印象です。
横隔膜は、お客様自身が触れたり意識的に管理することはなかなか難しいと思いますが、
機能的な動きができているかどうかは、トレーナーが呼吸パターンをみたり(体を動かしながらどこに空気が入っているかなど)、
姿勢や背骨・骨盤の歪みをみることによって、評価することができます。
本日は『横隔膜のはたらき』について。ご自身の体を知るために、お役に立てれば幸いです。