変形性膝関節症とO脚の関係
変形性膝関節症とは
「変形性膝関節症」という疾患名を聞かれたことはありますか??
よく「膝の軟骨がすり減って痛みが出る」と聞かれたことがあるかもしれません。
私は、テレビで紹介されている「グルコサミン」が頭に浮かびます。
変形性膝関節症とは、加齢に伴う関節軟骨の退行性変性(老化)であり、それによって痛みが生じる疾患です。
その結果、歩行が困難となったり、関節可動域に制限が生じて、日常生活に支障をきたしたりします。
中高年の約25~40%に発症、45~50歳以降で急増し、男性より女性に多い特徴があります。
発症要因としては、性別(女性に多い)や遺伝的要因もありますが、日頃の生活習慣によるものも多くあります。
ここは予防・改善できるところです*
たとえば、体重のコントロール。
体重が5.1%以上、または1週間に0.24%以上減少した場合、身体機能低下が改善したことが報告されています。(変形性膝関節症 理学療法診療ガイドライン 介入の推奨grade A)
また減量とエクササイズの複合的な介入は、身体機能、疼痛、移動動作の多くが改善されるようです。
体の歪みの観点からいうと、内反変形(O脚)、膝関節周囲の筋力不均衡などの力学的因子も影響があります。
O脚と膝の内側にかかるストレス
関節軟骨の性状は、力学的要因に影響を受けやすく、軟骨表面に局所的なメカニカルストレスを受けると変形性膝関節症の悪化につながることが報告されています。
O脚では、重心線がこのように落ち、膝関節の内側の組織に圧力が集中することになります。
※左正常 、右O脚
O脚の項で、見方を少しご紹介しましたが
もう少し厳密に評価すると、FTA角、ミクリッツ線という指標も用いられます。
FTA角
X線像で大腿骨軸と脛骨軸のなす角。10~15度が正常といわれています。
逆に10度以下であればO脚です。
ミクリッツ線
大腿骨頭の中心から足関節中心を結んだ線で下肢の荷重線を表します。
左正常・・ミクリッツ線上に、大腿骨中央がある
右O脚・・ミクリッツ線より外側に、大腿骨中央がある
また、大腿骨に対して、下腿のねじれが生じている場合も、膝の関節面、関節周辺の組織に何らかストレスが加わりやすくなります。
O脚改善をしておくことのメリット
O脚は、構造的な問題であれば(元々の骨の形)、修正は難しいのですが、
大半の方の場合、日常の動きのくせや、体の歪みからくるものが多いです。
膝は下肢の中間の関節であり、股関節や足関節の影響を多く受けます。
たとえば、股関節の柔軟性が乏しければ、その影響が膝にも。また太もも周りの筋バランスが悪いと、捻じれて膝に負担のかかる動きになってしまったりします。
O脚改善のトレーニングは、脚痩せの効果もありますが、「将来膝の痛みを出さないために」という意味でもメリットが大きいので、今のうちからやっておきましょう。