骨盤の動きは、歩行において、以下の役割を担っています。

・体の重心が上昇・下降・左右に動揺するのを軽減する

・体の重心の滑らかな方向転換する。

3次元空間における身体重心の動揺は、関節の動きのコンビネーションによって大きく減少されます。

そして、1歩行周期における身体重心動揺は、上下方向で約2㎝に、左右方向では約4㎝まで抑えられているという報告があります。(Perry 1992)

この関節のコンビネーションがなければ、上下方向へは歩くたびに約10㎝も動揺することになってしまいます。

そうなると、不意な方向転換が必要となったり、余計なエネルギーを使いながら前進する必要があります。

歩行において、骨盤はどんな動きをするか。

骨盤の側方傾斜

ミッドスタンス(完全に片方の脚で立っているとき)、体の重心は上昇します。しかし、骨盤が4~7°傾斜することにより、上半身の土台が下降します。

※ミッドスタンス

ウォーキング

骨盤の前傾

立脚期に、体の重心が支持脚の後ろから前方へ移動することに伴って骨盤が前傾します。なめらかな骨盤の動きによって、重心を前方に移動してエネルギー効率よく前進することができます。

 

骨盤の回旋

骨盤の回旋は全体で約10度です。ミッドスタンスにおけるニュートラルポジションからターミナルスタンスで後方へ5度回旋、遊脚肢に従って前方へ5度回旋します。この骨盤の回旋は、結果として両脚支持期で身体重心の下降を減少させます。

また、骨盤の回旋によって、歩幅を大きくすることができます。試しに、同じ歩幅を確保しつつ骨盤を回旋せずに歩行すると、股関節はより大きく動かさなければ前に進まないと実感できると思います。

 

骨盤の動きを見てみましょう

上記にも書いた通り、歩行の中での骨盤の動きは、4度〜10度とわずかです。あまり大きな動きではありません。

しかし、骨盤周りの筋肉や、隣接している腰椎、股関節にかたさがあると、歩行時の骨盤のなめらかな動きができなくなってしまいます。

「骨盤がよくこちらに傾いている」といわれる方も多いかもしれません。それは日頃の体の使い方のくせで骨盤の傾きが偏っているのかもしれません。

骨盤の前傾・後傾の動きを確認してみましょう。

※回旋、傾斜はご自身で判断しにくいと思うので、ここでは割愛します。

①仰向けになり、腰骨のグリグリした骨を触ってみましょう。

骨盤矯正

 

解剖図に書き込んだ位置に、手のひらで三角形を作って当ててみてください。

前傾

手のひらの三角形を足元に向けましょう。腰をそると楽に前傾が促せます。

後傾

手のひらの三角形を顔の方へ向けましょう。腰を丸めると楽に後傾が促せます。

骨盤矯正

また、普段の立ち姿勢をチェックしてみると・・

背骨が丸くお尻が下がっている場合は後傾気味

腰が反っているように見える方は骨盤前傾気味な可能性が高いです。

一概にそうとは断定できませんが・・。

スクワットや筋トレでも、骨盤の動きはポイントになってきますので、観察しながら行っていただくと、お体の理解に役立つのではないかと思います。

骨盤の動きや歩き方が気になるという方は、当スタジオでも「体の歪み相談」を行ってますので、お気軽にご利用くださいませ。

http://b-step.org/trial/experience-session

参考文献: 観察による歩行分析